新型コロナウィルスのペット感染を心配されている皆様へ

2020年3月4日に香港政府が、新型コロナウィルス感染者が飼っていた犬(ポメラニアン・約17歳)から低レベルの感染を確認したという発表がありました。

飼主の60歳の女性は、2月中旬から咳が出始め下旬に入院し感染が判明、飼犬も同時期に鼻と口から検体を採り検査したところ弱陽性反応が検出されたそうです。

その時点では、犬が実際に感染したのか、それともウイルスが鼻や口に付着しただけなのか不明だったために検査継続となっていましたが、国際獣疫事務局(OIE)などの見解を踏まえ、検査結果は感染を示すという結論に至ったそうです。犬は現時点では発症しておらず、政府の施設で隔離されているとのことです。

現時点では、ペットがウイルスを媒介するというデータはありませんので、動物が感染源になるといった過剰な心配を抱かないように、香港政府も呼びかけており、NHK NEWS WEBには、香港政府が「ペットの飼主はパニックにならないでほしい。われわれが把握しているのはわずかにこの1例だけであり、これによってペットが病気を発症するかどうかの証拠はまだない」ことを強調していると書かれています。

また、国際獣疫事務局(OIE)でも「ヒトから動物への感染の可能性が高い」ことで一致しているので、まずは、飼い主さんが新型コロナウィルスに感染しないことが肝要でしょう。

新型コロナウィルスは感染しても症状が出ないことがある厄介なウィルスですから、ご家庭ではご家族と同様に犬にも感染の注意を向けていただくこと、帰宅時は手洗いをしてから犬に触れる、犬を連れて人込みを歩くことは避ける、屋外で人が触る場所を舐めさせないなどにご注意頂くことが良いと思います。

添付資料:2月28日発表「香港でのPCR 検査で、低いレベルの新型コロナウイルスが犬から検出された報道について ■新型コロナウイルスの犬や猫への感染の可能性について」(公益社団法人東京都獣医師会 危機管理室感染症セクション)

今後も、日本獣医師会などからの新しい情報を待ちたいと思います。